インタビュー#25




John Carpenter & Alan Howarth
 Prince of Darkness OST End Credits Theme


REC


「詩織せんせい・・」

「・・千恵子さん?!あなたなの!?」

「詩織せんせい・・もうわたし、おかしくなりそう・・。
もう自分が自分じゃなくなっている・・そう私がわたしじゃなくなっている・・」

「大丈夫、いま橋田先生も私も千恵子さんの状況を把握しているわ。
詩織さんを救い出すための療法もわかってきたわ。
だからもう少しの間、耐えて!」

「だめよ・・もう遅いかもしれない・・私の体の中には・・」

「わかっているわ、たくさんの人たちが同居してるでしょ・・」

「みんな私を閉じ込めようとするの・・」

「閉じ込めるって・・どこに・・?」

「暗い・・狭い部屋に・・」

「暗い部屋・・?」

「真っ暗な部屋に閉じ込められて・・狭い部屋で・・
外から皆で壁を叩くのよ・・ドンドン・・」

「壁を叩く?」

「そう、壁も天井も床も・・・外からドンドン叩くの・・
力任せにドンドン叩いてくる・・」

「いったい・・誰が・・?」

「みんなよ・・みんなで私を暗い部屋に閉じ込めて外から叩くのよ・・
もう気が変になりそう・・」

「千恵子さん、気持ちをしっかり持って!」

「駄目よ・・もう疲れた・・暗い部屋に閉じ込められている・・私・・怖いわ・・。
部屋の中にあの子がいるの・・」





「あの子?誰が居るの?!」

「ちえちゃん・・・」

「ダメ!あの子は危険よ!ちえちゃんから離れて!」

「あの子、私を憎んでいる・・あの子、私を暗闇の中でジッと睨みつけてるの・・。
それで・・酷いことを云うの・・。
私は穢れた血の女だとか・・
男たちに納屋で犯された女の子どもだとか・・・
鬼女だとか・・」



「千恵子さん、ちえちゃんの云う事は聞かないで・・」

「暗闇の中で・・でも目の前にいるのよ・・そこでちえちゃんは私が鬼の娘だって・・」

「そんなのウソだから。千恵子さんにはお父さまとお母さまがついているわ。
勿論橋田先生も、わたしも・・皆、千恵子さんの味方だから・・」

「お願い・・詩織せんせい・・助けて・・もうおかしくなりそう・・」

「千恵子さん、はやく療法を始めるようにするから・・それまで・・」

あぁぁぁぁーッ!

「詩織せんせい、とても待てない・・私は・・私の体は・・・」

あぁぁぁぁーッ!

「目の前が・・真っ白に・・なってきた・・詩織せんせい・・怖い・・」

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!

「あぁぁ・・血の気が引いていく感じ・・
力が抜けてゆく・・いや・・あそこには戻りたくない!」

「千恵子さん、おねがい・・ちえちゃんから離れて!できるだけ離れて!」

あぁぁぁぁーッ!

「詩織せんせい・・怖いよ・・暗くなってきたよ・・」

あぁぁぁぁーッ!

「詩織せんせい・・だめ・・」

あぁーッ

「目の前が・・真っ暗・・」

あぁ・・

「あの暗い部屋に・・」

あぁ・

「詩織せんせぃ・・」


「千恵子さん!
千恵子さん!
千恵子さん!必ずあなたを助けだすから!
だからそれまで千恵子さん、あなたも頑張って!」



ハァぁ(呼吸音)


「ずいぶんなこと云ってくれるじゃない?詩織せんせい・・
どんなにがんばっても”ちぃちゃん”は帰してあげないからっ!」


「ちえちゃん?!」




テープ#24
録音日時1964年7月24日20:34 ~ 20:38 
「千恵子」千恵子の部屋にて。
医学博士 冴羽詩織 と千恵子 








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