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それから余りの痛さに気を失ってしまったようだ。 気がついて、恐る恐る目をあけると まず右手の掌が見えた。 其れをどかすと、信じられないものが見えた。 自分の尻が丸見えだったのだ。 いやぁ勿論、ズボンは履いているが。 鯖折り状態というか、ズボンの尻のポケットがちょうど 顎のあたりにあり、左手を動かそうとすると首筋に激痛が走った。 「ぁぁ旦那さん、気がついたかい。旦那さんの体がでかくてさ。 しかも硬いから・・随分と、苦労させられましたわ。 あぁ動こうとすると、凄く痛いかもよ。」 按摩さんが退くと姿見があり自分の今の姿が見れた。 なんともあられの無い。 布団の上で、まるでペシャンコに踏みつぶされた蚊かなにかのように 鯖折りにされ、複雑に上半身と下半身を回転されて四肢は別な方向に 回されていて。 思わず、その滑稽な姿をみると、自ら大笑いしてしまうほど。 ・・哀れな姿だった。 「旦那さん、駄目だよ、少しは体動かすことしなきゃ 筋は固いし、肉は付いてるし・・でも、血流は良くなったよ。」 そぅかぃ、ほいじゃ元に戻しておくれょ。 「え?」 ぉぃぉぃ、元に戻してくれよぉ・・ 「旦那さん、悪いが、そいつァ、オレにも出来ないんだょ・・」 えぇっ? 按摩さんは私の体から離れると、部屋を物色し始めた。 なんだよ、目が見えるのか? 「誰も目が見えないなんてひとことも言ってないさ」 んまぁ・・そうだけど・・テイのいい強盗じゃないのか?! 「よく言うよ、旦那、オレのスペシャルなマッサージを受けたじゃないか。」 タンスの引き出しを開けて財布をみつけやがった。 をひ!オイッ!こらっ!財布を開けるな! 「一時間、1万円。あぁスペシャルコースだから、もう1万です。それに・・」 それに・・? 「あとの係の者の手数料・・ま、ここにある全額ってことで」 畜生め!財布を懐に入れやがった! ってぇ・・なんだよ、あとの係の者って・・。 「ぃぇね、旦那さんをここで解体するお医者さんですわ・・」 医者だ?解体だぁ?誰がそんなのオーダーしたんだよ!ふざけんな! 按摩さんはサングラスを取ってポケットからメモ用紙を取り出して。 目を細めて確認する。 「ぇぇぇえとぉ、オーダーされたのは・・ぁ〜ぁ、奥様ですなぁ〜。」 アイツ・・・。 「旦那さんの臓器は、皆様お待ちかねですよォ。 あぁ、奥様から、せめてひとの役に立って・・との |