昔からそうだ。

別に望んでいるわけではない。

ただ、いつもそうなのだ。

あぁ、いつも、いつも。

べつに何ができるわけではないのに。

いや、できることなど何ひとつないのに。

漠然と。只々、漠然と。

なにかしなくては。と思ってしまうのだ。

なにひとつできもしないのに。

それを他人はエゴと云うかもしれない。

それを他人は性癖と云うかもしれない。

それを他人は病気と云うかもしれない。

実際のところ、そうなのかもしれないし

自分自身、そう感じるところもなくもない。

だがしかし。

昔からそうだ。

決して浮ついた気持ちではない。

寧ろ、知れば知るほどに本気になってしまうのだ。

だが、知れば知るほどに我が身の無力を思い知る事になる。

そして、無力感に囚われながら別離となる。

昔からそうだ。

結局、誰ひとりもしあわせにすることはできなかった。

なにを学ぼうと、幾らかけようと、何の役にも立ちはしない。

昔からそうだ。

いつもそうなのだ。

結局、力になることすらできない。

互いに傷を残しながら別れる。

もう、たくさんだ。

なぜ、不幸な女に惚れてしまうのか_。






Takashi Hiraiwa Short Story 01

2011010800 天使と悪魔

2011010802 天使と悪魔#2

2011010803 天使と悪魔#3

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