この天城の山に逃げ込んで、険しさゆえに追っ手が来ないのはいいとして。
猿だの鹿だの猪だの物騒な獣ばかりで・・。
偶に出会う樵や農民というのはどいつもこいつも気色の悪い話をしやがる。
おまけに銭を持っていないのが気に入らん、ったく。
しかしこの爺ぃ、いい話聞かせてもらったぜ。
こちとら島を出てからこのかた、おんな日照りでな。
蜘蛛だか蜂だか知らんが女郎と名がつくほどの女なら
抱いてやろうじゃないか!
どうせ相手は物の怪、へんげの類ひ。
力づくで犯してやろうってぇものよ。
化け物退治ついでに好き勝手に楽しませてもらうわぃ。

 陽が沈んで月が照らしだす滝壺は意外に明るいものよ。
今宵は満月か。
滝を見下ろす岩場で辺りを伺いながら、と。
おおっ!水飲みに来た猪に糸が絡んで滝壺に引きづり込みやがった!
っかぁぁぁあああっ、出てきやがった。
滝壺の奥から、白装束着た・・蜘蛛の糸のように肌の白い。
ぬばたまの髪の長い・・。おぅありゃぁ上玉じゃねぇかっ!
小股の切れ上がったいい女ってのはああいうんじゃねぇのか・・
おう・・だが前から挑めばあの猪と同じ運命を辿るわけだな。

 うぅむ、よし!
あの爺の亡骸を岩場から滝壺に投げ込んで、あの女が糸で絡め獲る間に
おんなの後ろに飛び込んで挑みかかってやろうず!
後ろから羽交い絞めにして・・ハハハ・・簡単じゃねぇか!

ほいじゃぁ爺ぃ、役に立ってもらうぜ!
とりゃぁっ!


   


ばしゃーん!



   

おんなめ、糸を出して爺ぃの亡骸を引きづり込みやがった!
あん?生餌じゃないと気づいたか?滝の淵に放り出しやがった!
ハハァ!
ほれぃっ、行くぞ!

ばしゃーん!

へへへ、おんなぁ、おどろいたかぁ!
後ろから羽交い絞めにして!
長い黒髪を細い首に巻きつけて!
両手首をふんどしで縛り上げて!
白くて細い脚を曲げて、膝で縛り上げて!
尻を上につきだせぃっ!
いっきに突き上げてくれるわ!


ほれぃっ!ほれぃっ!
どうじゃ!いななけ!いななけ!
ほれぃっ!ほれぃっ!
ええ尻じゃないか!もっと振らんかい!


ほれぃっ!ほれぃっ!
どうじゃ、乳を鷲掴みにしてくれる!
ほれぃっ!ほれぃっ!
ええ具合じゃないかぁ!すけべなおなごじゃ!


ほれぃっ!ほれぃっ!

ほれぃっ!ほれぃっ!
なんだ?なぜなんともいわぬ?!
ほれぃっ!ほれぃっ!
なぜ乱れぬのだ!すけべぃ汁たらしておるに!


ほれぃっ!ほれぃっ!
ほれぃっ!
ほれぃっ!
あふ、締めつけがええぞ!


ほれぃっ!
ほれぃっ!
ほれぇーぃっ!
こりゃぁたまらん、こりゃぁたまらん・・


この妖怪変化め!
妖しいおなごめ!

あーふー・・・

はぁ、こちらの腰がたたんわい!





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