インタビュー#24




John Carpenter & Alan Howarth
 - Halloween III: Season Of The Witch(1982) - First Chase


REC


「こんばんわ・・今日はとても穏やかそうね。ところであなたは誰?」

「相変わらず変なこと云う人だね」

「御免なさい私は人の顔とか名前を覚えるのが苦手なのよ。
そういう人いるでしょ?
いちどにたくさんの人に会うと最初に誰にあったか思い出せないのよ_。」

「あぁ、あるある。おぃも人の名前を覚えるのは苦手だ。」

「じゃぁ私の名前憶えている?」

「へへ、忘れちまったぁ。」

「詩織よ。しおり。」

「あぁははははぁ、しおりさんかぁ。悪かった。」

「こんどはあなたのお名前教えてくださいな?」

「呉作よ。呉作。中村の悟作だぁよ。」

「あぁ、そうね・・たしか・・お吉さんの旦那さん。
違ったっけ?」

「うにゃ、そうだよ、お吉はおぃのヨメッコよ。」

「たいそう仲が良かったんでしょうね。お吉さんと。」

「そりゃぁ可愛いヨメッコだからな。
そりゃぁ奥村の出の娘だからよ気立ては少々荒いがよ、料理も上手いしよ、へへ床の方も上手でね。」

「また、若い女の前でいやらしい話をしようとしてるでしょ?・・ところで奥村ってどこにあるの?
私ね、明日から中村に行ってくることになったのよ。」

「へぇ、中村にいったってよ・・なーんにもないところだぜよ。川と畑とあとは山ばっかりだぁ。」

「山に登ったことある?」

「ナニ?北神嶽か。」
「ええ。」

「よせ、よせ。あすこは登っちゃらなねぇ。北からの風をもろに受けるところだからな。
冬はもろに雪が吹き付ける。夏でも麓と違って寒くて仕方ないって話だ。
それによおぃたちは山の神さまが居られるから、神岩・・・って崖があるんだがよ。
それぇより奥には立ち入っちゃならね、そう云われてきた。
なんでも物凄く切り立った崖でな。よく余所者の素人がザイルを持って挑んだがよ。
そのたんび山狩りに集められたもんさ。あすこは行っちゃならねえんだ。」



「それじゃ、神岩までは行ってみるわ。
神岩まではどうやって行けばいいのかしら?」

「中村からよ川沿いに登っていくと上村があるで、上村から更に登ってゆくと滝があってな
そこから丘を登りきると沼があるんだ。むかしからどんぶらこどんぶらこって呼んでたな。
”どんぶらこ沼”だ。」

「どんぶらこ沼?」

「あぁ。昔から皆そう呼んでる。桃太郎がここから流れてきたって、さ。
そこから右に折れて下ってゆくと奥村よ。ぁぁ、お吉の生まれたところな。
そこからいっきに登ってゆくと神岩。
だがよ、女の足じゃ無理だろ。あすこは距離もあるしな。
泊まる宿もないしな。」

「奥村って泊まるところないの?」

「だってさ、村って云ってもさ。ありゃぁ部落さ。
それによ、あすこの人間ときたら昔からよ、人見知りが激しいしな。」

「上村の人たちよりも?」

「ありゃぁ別さね。あすこん男どもは人見知りが激しいというか、人を見れば鬼と思え、と思ってる。
いやコレは例えじゃなく昔からあすこん人たちは変わりもんが多いんだ。
爺様も婆様もあすこは大昔、どこぞの島から流れてきた人たちが住んでおって。
我らとは何もかもが違うんだと云ってた。」

「へぇ。でもお吉さんは奥村の出なんでしょ。
あぁ、あすこん男共は、血の気が多くてな話にならんもんが多いが・・だからか知らんが。
あすこの女たちはまだ小娘のウチにな他所に嫁に出るんだ。それがよ、色白でよ器量が良くてよ。」

「そのうえ御床上手?」

「そ、そうなんだぃ。へへへ。」

「一応レディの前なんですけど?
どうして外にお嫁さんに出るのかしら、若いうちに」

「なんでもよ、奥村ってのは鬼ヶ島から逃げてきたもんが住んでいてだな。
鬼の血が混ざってるって話よ。
ほいでよ、奥村の女ってのは、はたちまでに子供を産まないとよ。
身体も心も段々鬼になるって話でよ。
そんなこって若いうちに嫁に出て子供を産んで、鬼の血を外に出さなきゃならねぇって。


「凄い話ね。」

「でもよ、そんな話だったな。
誰だっけ、下村ん嫁いだ・・あぁ名前は忘れちまったなぁ・・
下村に嫁いだ奥村の嫁ってのがまたいい女だったんだけどね。
亭主を辻斬りに殺されちまって。そしたら火がついちまったんだな。
浪人相手に素手で格闘してとうとう殺しちまったって話だぃ。
なんだろな歯止めが利かねえってのかなぁ。いったん火が点いたら凄いらしいぞ。
奥村の女ってぇのはよ。
まぁうちのお吉は、いい女房だがよ、へへ。」

「それでよ、お吉はよありゃぁ天性のもんかねぇ、真っ白純白な肌に射干玉の黒髪でね。
華奢には違いないが、子どもが出来てからはおう、背膏がついてよ、いい女っぷりだい。
それを後ろから手を伸ばしてよ張りが良くなった乳を揉み次第てやってよ。
それからプリっぷりの白い尻にズん、とよ、こうやってよ腰を突き上げてやるとよ。
ハハァ、ひぃ!なんて可愛い声上げやがってよ・・」


OFF



テープ#24
録音日時1964年7月24日19:00 ~ 20:34
「呉作」千恵子の部屋にて。
医学博士 冴羽詩織 と千恵子 








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